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被相続人の住所が登記簿の住所とつながらない場合

2021.3.2


被相続人の住所が登記簿の住所とつながらない場合

相続登記にあたっては、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本や、不動産を取得する相続人の住民票といった公的な書類が必要になりますが、「被相続人の同一性を証明する書類」もその一つです。

 

不動産の登記簿には所有者の住所と氏名が記載されていますが、戸籍謄本には本籍地と氏名のみで、住所が記載されていません。したがって不動産の所有者が被相続人と同姓同名の別人ではなく、同一人物であることを証明する必要があります。このために添付するのが被相続人の「住民票の除票の写し(本籍地記載)」や「戸籍の附票の写し」といった住所の証明書類です。

 

住民票の除票には被相続人の最後の住所が載っています。引っ越しをされている場合、前住所も確認することができます。それより昔の住所をたどるには、戸籍の附票(その本籍地での住所の沿革)を調べることもできます。

登記簿の住所がこのような公的書類に載っていれば、所有者と被相続人の住所がつながり、同一人物であることが証明できるわけです。

 

しかし、住民票の除票も戸籍の附票も、保存期間が消除から5年とされており(亡くなられて5年もしくは戸籍の全部が消除されて5年たつと、保存期間が満了し廃棄される)、かなり前に亡くなられて相続登記をされていなかったり、不動産の取得時の住所が随分昔のものだったりすると、住所がつながらないこともよくあります。

 

このような場合、以前は公的書類の廃棄証明書や、不在籍証明書・不在住証明書といったいろいろな書類を補助的に添付していましたが、最近ではおおむね以下のような取り扱いに統一されてきたように思います。

 

・不動産の権利証があれば、権利証添付でOK。
・権利証がなければ、納税通知書(原本)+上申書(相続人全員、印鑑証明書付き)。
・廃棄証明や不在籍・不在住証明は原則不要。

平成29年3月23日付 民二第175号の通達の中でも、権利証を添付すれば他の添付書類は不要であること、また徐住民票や戸籍の附票の消除の起算日は法令上明確であるので、被相続人の死亡日から5年以上経過して相続登記の申請がされた場合は「廃棄証明書」等の提供は不要とされています。

 

住所の沿革がつかない場合だけでなく、登記簿の名前が間違って登記されていたり、戸籍自体が滅失・廃棄されていて相続関係を確定できないなど、相続登記にはいろいろイレギュラーなこともあるのですが、法務省もできるだけ相続登記を簡素化して促進したいと考えているので、書類が揃わないから不可とはせず、できる限り補助書類を提出することで申請を受付けてもらえますので、何を添付すればよいか迷う場合はご相談ください。