ブログ

相続・遺言

相続放棄とは?期限と手続きの流れをわかりやすく解説

2026.9.5


「親が亡くなったが、借金の方が多そうだ」
「疎遠だった親族の相続に関わりたくない」

 

――そんなときに検討したいのが「相続放棄」です。

 

相続放棄には期限があり、手続きにも一定のルールがあります。
今回は、相続放棄の基本から、期限、手続きの流れ、実務でよくご相談いただくポイントまで、わかりやすく解説します。

 

 

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産や借金などの権利・義務を一切引き継がないために、家庭裁判所に申述する手続きです。
相続には、大きく分けて「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの方法があります。
相続放棄をすると、法律上は「初めから相続人とならなかったものとみなされる」ため、不動産や預貯金などのプラスの財産を相続できなくなる一方、借金や未払い金などのマイナスの財産を引き継ぐこともありません。
そのため、被相続人に多額の借金がある場合などには、相続放棄を検討することになります。

 

 

相続放棄の期限は「3ヶ月」

相続放棄で最も注意していただきたいのが、申述期限です。
民法では、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。
ここで重要なのは、必ずしも「被相続人が亡くなった日」から3ヶ月ではないという点です。
 
たとえば、
• 疎遠だった親族が亡くなったことを、死亡からしばらく経って初めて知った
• 先順位の相続人が相続放棄したことで、自分が相続人になったことを知った
• 被相続人の死亡や自分が相続人であることを知った後、一定の事情から相続財産がないと信じていた
といったケースでは、3ヶ月の起算点や相続放棄の可否について個別の判断が必要になる場合があります。
 
「亡くなってから3ヶ月を過ぎているから、もう相続放棄はできない」と自己判断せず、事情を整理したうえで、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。

 

 

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の一般的な流れは、次のとおりです。

 

1.必要書類を集める

戸籍謄本や被相続人の住民票除票など、申述人と被相続人との関係に応じた書類を準備します。
必要となる戸籍は、相続人の順位や被相続人との関係によって異なります。

 

2.相続放棄申述書を作成する

家庭裁判所に提出する「相続放棄申述書」を作成します。
申述書には、被相続人との関係や、相続放棄をする理由などを記載します。

 

3.家庭裁判所へ申述する

原則として、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に必要書類を提出します。
相続放棄には申述人ごとに手続きが必要となるため、複数の相続人が相続放棄をする場合でも、それぞれについて申述を行います。

 

4.家庭裁判所からの照会に回答する

家庭裁判所から、相続放棄に関する質問書(照会書)が届くことがあります。
相続の開始を知った時期や、相続財産を処分していないかなどについて回答します。

 

5.相続放棄申述受理通知書を受け取る

家庭裁判所で申述が受理されると、「相続放棄申述受理通知書」が送付されます。
これにより、相続放棄の手続きは完了します。

 

 

相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権が移ることがあります

相続放棄で注意したいのが、自分が相続放棄をすれば、それですべて終わるとは限らないという点です。
たとえば、被相続人に子どもがいて、その子ども全員が相続放棄をすると、次の順位の相続人である父母などが相続人となる場合があります。
さらに、先順位の相続人が全員放棄すると、兄弟姉妹などが相続人となるケースもあります。
そのため、借金があることを理由に相続放棄をする場合には、自分だけでなく、次の順位の相続人への影響についても確認しておくことが大切です。

 

 

相続放棄をする前に注意したいこと

相続放棄を検討している場合、相続財産を処分するなど、相続を承認したとみなされる行為をしないよう注意が必要です。
また、相続放棄は、原則として一度受理されると撤回することができません。
「借金があるから、とりあえず相続放棄をしよう」と急いで手続きをするのではなく、
• どのような財産があるのか
• 借金はいくらあるのか
• 他に相続人は誰なのか
• 自分が放棄した場合、次に誰が相続人になるのか
• 3ヶ月の期限をいつから計算するのか
といった点を確認したうえで、慎重に判断することが重要です。

 

 

こんな場合はご相談ください

• 相続人の一人だけが相続放棄をしたい
• 相続人全員で相続放棄を検討している
• 先順位の相続人が相続放棄し、次の順位の親族が相続人になった
• 疎遠だった親族の借金について突然請求が届いた
• 相続放棄の3ヶ月の期限が過ぎてしまった
• 借金や財産の総額がはっきりせず、相続放棄すべきか迷っている
• 相続放棄に必要な戸籍や書類がわからない

 

相続放棄は、期限が定められているうえ、一度受理されると原則として撤回できません。

 

「相続放棄をするべきか迷っている」という段階でも、早めに専門家へ相談することで、選択肢を整理しやすくなります。

 

相続放棄についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。