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相続・遺言

民法・不動産登記法改正⑦~相続土地国庫帰属法~

2021.5.5



 

相続土地国庫帰属法

今回の一連の改正は、相続登記の義務化や手続きの整備を図ることで、
新たな所有者不明土地が生まれることを抑制し、すでに所有者が不明な土地についても
管理や処分をしやすくすることを目指したものです。

 

しかし、実際に土地を相続しても、管理や維持の負担が大きいと感じる人もいるでしょうし、
売却しようと思ってもなかなか買い手がつかない土地もあるでしょう。

 

今回、新法として「相続土地国庫帰属法」が成立し、
相続した土地の所有権を放棄して、土地を国庫に返納できる仕組みが新たに設けられることになりました。

 

ただし土地所有権を国庫に帰属させるには、一定の要件を満たしていないといけません。
相続により取得した土地であること、建物のない土地であること、
担保権や使用収益を目的とする権利が設定されていないこと、
土壌汚染がないこと、崖地などの管理が難しい土地でないこと、などの条件があげられており、
法務大臣から承認を受けて10年分の管理費相当額を納める必要があります。

 

所有権を放棄できるということは、
ともすれば所有者の土地管理の責任放棄や負担逃れにつながる恐れもあるので、

承認には一定の要件審査をクリアしないといけませんが、
土地所有権の放棄についてはこれまで法文上明確な規定はなく、とてもインパクトのある制度だと思います。

 

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