一つの債権を担保するのに複数の不動産を共同担保として抵当権や根抵当権を設定することがあります。
銀行の住宅ローンなどは土地と建物の両方を共同担保として抵当権が設定されることが一般的です。
複数の不動産を共同担保として抵当権が設定された場合、登記記録の最後には「共同担保目録」が作成されます。
目録には記号・番号がつけられ、同じ債権の担保に入っている物件をまとめて見ることができます。
乙区の抵当権の欄にも「共同担保 目録〇〇号」のように記載されるので、
その抵当権がどの目録の物件を共同担保としているかがわかるようになっています。
共同担保目録は不動産の管轄法務局ごとに作られ、目録番号も管轄によって異なります。
前回、管轄をまたがる共同根抵当権の設定について書きましたが、
例えばA管轄の甲土地とB管轄の乙土地を共同担保として共同根抵当権を設定する場合、
共同担保目録はどのように作られるのでしょうか。
申請は管轄ごとに行いますので、まずA登記所に甲土地の根抵当権設定登記を申請します。
A局が完了した時点では共同担保目録はまだありません。
続いてB登記所に乙土地の共同根抵当権追加設定を申請します。
B局では自分の管轄の乙土地と前登記のA管轄の甲土地が入った共同担保目録が作られます。
他管轄物件の場合は目録にその管轄法務局が記載されます。
B局の登記完了後、A局に通知がされ、A局でもB管轄の物件が加えられた共同担保目録が作成されます。
これでそれぞれの管轄で共同担保目録が完成することになります。
(参考:不動産登記規則 第168条 追加共同担保の登記)
このような他管轄間の通知や目録作成には時間がかかることもあり、登記が完了した直後に謄本をとっても
前管轄の目録が未完成の時があるので注意が必要です。
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