令和6年4月1日より、所有権登記名義人の氏名の表記についても改正がなされました。
(1)外国人のローマ字氏名の併記(不動産登記規則158条の31第1項)
売買や相続等で所有権を取得した人が外国籍の場合、氏名のローマ字表記も登記することとなりました。
これまで外国人の方の氏名はカタカナ表記(漢字がある場合は漢字表記)で登記されていましたが、
それにローマ字氏名をかっこ書きで併記することとなりました。
例:「ジョン・スミス(JOHN SMITH)」「洪吉童(HONG KILDONG)」
従来のようなカタカナ表記だけでは、複数の不動産を所有している場合に
同じ所有者なのに表記が異なるなど同一性の判断に支障が生じることもありますが、
ローマ字併記によって本人確認がしやすくなると思われます。
登記申請には「ローマ字氏名証明情報」として、
日本在住の外国人であれば住民票(ローマ字氏名が記載されているもの)、
海外在住の外国人はパスポートの写し(ローマ字氏名、有効期間、写真のあるページを含む
コピーに原本と相違ない旨の署名又は記名押印)等を添付します。
海外在住の外国人の方が登記名義人になる場合は、本国又は居住国の政府の作成に係る住所証明書や、
国内連絡先事項(→リンク「不動産登記法等の改正による登記事項の変更(法人識別番号、国内連絡先事項)」)も必要となってきます。
(2)旧氏の併記(不動産登記規則158条の34第1項)
所有権保存や移転登記の際、所有権登記名義人の氏名に旧姓を併記できることになりました。
例:「甲野花子(乙野花子)」
申請には「旧氏を証する情報」として戸籍謄本等を添付します。
旧氏を併記できるのは「所有権」の名義人だけですが、すでに登記されている名義人も
「所有権登記名義人表示変更」「変更後の事項 甲野花子(乙野花子)」として変更の付記登記ができます。
商業登記でも「取締役 甲野花子(乙野花子)」のように、
役員の氏名に旧姓を入れることができるようになっています(商業登記規則第81条の2)。
2024年4月より相続登記の義務化がスタートしました。
ふるえ司法書士事務所では相続・成年後見などのご相談を初回無料で承っております。
お気軽にご相談ください。