所有者不明土地・建物管理命令について
2023年施行の改正民法により、「所有者不明土地・建物管理命令」の制度が新しく設けられました(民法第264条の2)。
これは所有者が分からない土地や建物について、利害関係人の請求により、裁判所が所有者不明土地(建物)管理人を選任し、適切な管理や処分を命ずるものです。

制度の背景には昨今問題になっている所有者不明土地問題があります。
相続登記がされず所有者が誰か分からない土地や建物が全国的に増え、管理不全による建物の倒壊リスクや不法投棄といった環境・治安の悪化、土地開発事業への支障などが問題となっており、そのような不動産の管理を速やかに進めるため、利害関係人から申立てができるようになりました。
これまでにも所在の分からない人の財産を管理・保存する「不在者財産管理人」や、相続人がいない人の遺産を管理する「相続財産管理人」、売却や弁済など遺産の処分まで行うことのできる「相続財産清算人」(2023年の民法改正により新設)の制度がありましたが、これらは人単位、つまりその人の財産全体を管理の対象とするもので、手続や予納金など費用の面からも負担が大きいものでした。
これに対して「所有者不明土地・建物管理命令」は土地・建物に特化した管理制度で、近隣地の所有者や土地の買受けを希望する人などの利害関係人が申立てすることができます。国や地方公共団体も申立人となります。
所有者不明土地・建物管理命令が出されると、裁判所に選任された管理人は対象不動産の管理(保存・利用・改良)の権限が与えられ、裁判所の許可を得て売却等の処分もできます。
登記上の所有者が死亡しており相続人が不明である場合、管理人はまず不動産の名義変更(相続財産法人への登記名義人氏名変更登記)を行い、「所有者不明土地(建物)管理命令」の登記が裁判所の嘱託で入ります。
当事務所でも、相続財産清算人や所在者不明土地管理人に選任された弁護士の先生より依頼を受け、相続人不存在を原因とする相続財産法人への名義変更登記を行っています。
2024年4月より相続登記の義務化がスタートしました。
ふるえ司法書士事務所では相続・成年後見などのご相談を初回無料で承っております。
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