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改正民法(令和8年4月1日施行)~共同親権の導入など~

2026.4.10


令和6年5月に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、父母の離婚後の子どもの養育などに関する規定が見直されました。令和8年4月1日より施行となります。

 

(1)離婚後の共同親権制度の導入(民法819条)

これまでは父母の離婚の際、未成年の子の親権者として父母のどちらか一方を定めなければなりませんでしたが、改正により「双方又は一方を親権者と定める」とされ、父母の協議により共同親権か単独親権かを選べるようになりました。
協議がととのわない時は家庭裁判所が諸事情を判断し親権者を定めますが、DVや虐待の恐れがある時は共同親権は認められません。
一度親権者を定めた後でも、子の利益のため必要があると家庭裁判所が認めれば親権を変更できます。改正法施行前の離婚でも裁判所への申立てにより共同親権への変更が可能です。
親権の行使方法については824条の2で定められ、共同親権の場合、子についての重要な決定(転居、進学、重大な医療行為等)は父母が共同で判断しますが、「子の利益のため急迫の事情があるとき」「監護・教育に関する日常の行為」については一方が単独でも行使できるとされています。
離婚に際しては子どもの親権をめぐってもめることが多く話し合いの難しい場面もあると思われますが、あくまでも子どもの利益のため、離婚後も父母が共同して親権を行っていくのが望ましいと合意できれば、共同親権は一つの新しい選択肢となるでしょう。

 

 (2)財産分与の請求期間の伸長(768条2項)

離婚後の財産分与の請求ができる期間について、これまで離婚の時から「2年」と定められていましたが、今回の改正で「5年」に伸長されました。
5年の期間が適用されるのは2026年4月1日以降の離婚です。
DV被害等がある場合に被害からの回復に時間を要することや、相手が非協力的な場合などを考慮し、請求期間が伸長されました。

 

 (3)裁判上の離婚事由の変更(770条1項)

旧法では夫婦の裁判上の離婚事由として以下のものが挙げられていましたが、このうち④が削除されました。

 

①配偶者の不貞行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

この条文は配偶者を長年の過重な看護や介護から解放する目的で定められたものですが、精神的な障害をもつ人に対する差別であるという指摘はこれまでもあり、医療の進歩により回復の見込みについても従来の判断基準とは大きく変化したことから、改正により削除されました。

ほかにも夫婦間の契約取消権(754条)の削除、「子の監護の費用」が一般先取特権に追加された点(公正証書等を有しなくても相手の総財産から優先して未払い養育費を回収できる)(306条、308条2項)などの改正がなされました。

改正民法818条1項では「親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。」と定められました。父母の離婚後も優先すべきはあくまでも子どもであることを明確にした改正となっています。

 

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