2024年から相続登記が義務化されます
~所有者不明土地問題の解消へ向けた法改正~(5)相続土地国庫帰属制度
今回新たに「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が制定されました。
少子高齢化が進むなか土地を所有し維持していくことは負担も大きく、
結果として管理不全土地や所有者不明土地が増えることを避けるため、
一定の条件のもと法務大臣の承認を得た上で、
相続や遺贈で取得した土地を手放して国に返すことができるようにしたものです。
ただし容易に土地管理を放棄するモラルハザードを防ぐため、申請には細かな要件が定められています。
例えば建物や工作物がある土地、担保権等が設定されている土地、通路のように他人が使用している土地、
土壌汚染や崖などがある土地などは対象となりません。
また審査には手数料のほか、承認されると10年分の土地管理費相当額の負担金を納付する必要があります。
ハードルはありますが、売却以外の土地の処分手段として国庫帰属制度が新設された意義は大きいと思います。
このたびの法改正は罰則を含む相続登記の義務化を定めた大きな改正です。
2024年の施行を前に、所有する不動産が適切に登記されているか、相続登記が未了になっている不動産はないか、
今一度確認されることをお勧めします。
また今は不動産管理に問題がなくても、将来年月を経ることで負担や問題が生じてくることも考えられます。
今後の不動産管理をどのようにしていくのか、事前に検討しておくことも重要です。