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年金受給者である被後見人様の税務申告

2022.4.20


今年に入って、お二人の方の成年後見人に就任しました。

 

成年後見人就任後(後見開始等の審判確定後)、
すぐに銀行や保険会社等の調査・後見人の届出、また年金事務所や行政等(医療・介護・税務等)に対し、
後見人が就任した旨の届出や書類の送付先変更等の手続を進めていきます。

 

今回就任したお二人とも就任の時期が2月だったため、
それらの手続以外に税務関連(確定申告や市県民税の申告等)の手続きも並行して行いました。
税務申告等をする際は、ご本人様の昨年1年間のお金に関する情報が必要となりますが、
今回は就任したばかりで、その情報がほとんどないなか
年金事務所や行政に書類の再発行を依頼し手続きを進めました。

 

まず、確認する事は

① そもそも確定申告をする義務があるのか?しなくてもいいのか?
② 確定申告をすれば、いくらか税金が戻るのか?

 

などを確認しないといけません。

 

①については、義務がある限り必ず確定申告をしないといけません。
通常一般的な年金受給者の方については、確定申告の義務のある方は少ないかと思います。
ただ、例えば年金以外に不動産の賃料収入があるとか、
個人年金(例えばですが、かんぽ生命の個人年金とか)を前年に受取り、
その受け取った額から必要経費を引いて20万円以上ある場合は雑所得として、申告の義務が発生します。

 

そもそも確定申告の義務がなく、
たとえ確定申告をしたとしても数千円程度の税金だけが還付されるような場合、
手間や時間を考えると確定申告をせずに済ますこともあるかと思います。

ただ注意しないといけないのが、
この確定申告の情報がその年の住民税(いわゆる市県民税)算出の基礎となるため(申告した情報が連動しています)、
源泉徴収された税金の還付を受ける以外に、今年払うべき住民税等も変わってきます。

 

今回就任したお二人については、
介護施設の利用料(医療費控除の対象になる部分があります)や
ハガキで届く「医療費のお知らせ」を元に確定申告や、市県民税の申告をする事により、
税金の還付及び今年の住民税の軽減を行いました。

 

税務は専門分野外ですが、被後見人の方の財産を少しでも守る意味で、
またその手続きを進める上で、税務についても日々勉強の毎日です。

 

注)後見人がついた時点で、被後見人の方は「特別障害者」に該当する事になります。
所得税法上40万円(住民税法上は30万円)が所得控除で使えます。
今年就任したお二人については、来年の申告からその特別障害者の所得控除使う事になります。