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相続・遺言

「長期間相続登記等がされていないことの通知」が届いたら?

2023.6.10


法務局から
「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」
という手紙が送られてくることがあります。

 

これは平成30年に成立した「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」という法律に基づいて、
30年以上の長期間にわたって相続登記がされていない土地について、
法務局が所有者の相続人を調べて相続登記を促す取り組みです。

 

「あなたは随分前に亡くなっている〇〇さんの相続人なので、
         〇〇さん名義になっている土地の相続登記をしてください」
という趣旨の手紙です。

 

 

① この手紙は法定相続人全員に通知されるのではなく、
管轄局に近い住所の人など、法務局が任意に選んだ相続人1名に送付されます。

 

② 通知の対象となった土地の登記簿には、
所有権の登記に「長期相続登記等未了土地」(作成番号 第〇〇-〇〇-〇〇号 令和〇年〇月〇日付記)
という付記登記が職権でなされています。この付記登記は相続登記が申請されると抹消されます。

 

③ 通知にあたり、法務局で「法定相続人情報」が作成されています。
亡くなった所有者の法定相続人を調査して関係図にしたもので、相続人であれば通知書と本人確認書類を提出して、
法務局で無料で提供を受けることができます。(代理人による取得も可)
この一覧図に載っている相続人の間で遺産分割協議等を行い、相続登記を申請することになりますが、
相続放棄をしている人の情報は反映されていないので、
放棄した人がいる場合は相続放棄申述受理証明書などの書類が別途必要になります。

またこの一覧図は相続登記のためだけに作られた「登記簿附属書類」なので、
一般的な「法定相続情報」と異なり、登記以外の相続手続き(金融機関等)には使用できません。

 

 

このお知らせを受け取った方は突然の通知にびっくりされるかもしれませんが、
ある意味では相続登記を行う良いチャンスだと言えます。

何十年も前に亡くなった人の戸籍を自分で集めて相続人を調べるには膨大な時間と労力がかかりますが、
法務局で相続人を調べて一覧図まで作成されているので、この手間を省略することができます。
また、令和6年4月1日からは相続登記が罰則付きで義務化されます。
それより前に発生した相続にも適用されますので、正当な理由なく申請を怠っていると
10万円以下の過料が科される場合があります。
通知を受け取られた方は早めに相続登記を行うことをお勧めします。

 

 

神戸・明石相続登記センターでは相続登記・成年後見のご相談を無料で承っておりますので、
通知について不明な点などがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。